DNPenguinといっしょに地球の未来を考えよう

DNPenguinと行くキリンビール横浜工場で自然の恵みを実感する。

DNPの広報室に所属するDNPenguinが、
環境のことを勉強するためにいろいろな場所に取材に行きます。
> DNPenguin[ ディーエヌペンギン]とは?
DNPenguinはある日、「キリンビール横浜工場(鶴見区)に自然の恵みが体験できる人気の“ビオトープ”がある」という噂を耳にしました。地球温暖化の問題に直面している仲間のペンギンたちの“未来”を考えるヒントになるかもしれないと思ったDNPenguinは、大学のサークルで環境のことを学んでいる安藤さんを誘って、キリンビール横浜工場をさっそく訪ねてみることにしました。穏やかな笑顔で迎えてくれたのは、ビオトープの維持管理をされている総務広報の丹野優さん。丹野さんの案内で、DNPenguinと安藤さんのビオトープ見学が始まりました。

ワクワクするであります!

丹野優さん

丹野優さん

キリンビール横浜工場

総務広報担当

取材協力

キリンビール(株)横浜工場
1926年操業開始。京浜工業地帯の一角、約19万㎡の広大な敷地を擁す。2012年に新たにビオトープを整備。現在、[キリン横浜ビアビレッジ]の名で親しまれ、年間20万人近くの見学者が訪れている。所在地:神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1

http://www.kirin.co.jp/entertainment/factory/yokohama/index.html

キリンビールのこだわり

大学生レポーター 安藤みゆき

早稲田大学の環境サークル[環境ロドリゲス]メンバー。
[生物多様性わかものネットワーク]という全国的なグループでも活躍中。

ビオトープで育まれる「生物多様性」

ビオトープとは何でありますか?

丹野さん

ビオトープ(biotope)とは、ギリシア語のbio(命)+topos(場)から成る造語で、生きものが住みやすい環境をつくることだよ。

安藤

ビール工場の敷地内に自然豊かなビオトープがあるなんて知りませんでした。
どうして、工場のなかにビオトープをつくろうと思ったのですか?

丹野

私たちは、長年にわたっておいしいビールを造り続ける努力をしてきました。 ビールは麦(芽)、ホップ、酵母といった生きものの力を借りてつくられます。 おいしいビールには、良質な原料が必要です。そして良質な原料は、花粉を運んでくれる虫や大地に栄養を与える微生物など、 さまざまな生きものが共に生きることで育まれます。だからこそ、私たちには、 私たちが操業させていただいているこの場所で生きもののにぎわいがある環境を守り続けていく義務があります。 そんな考えから、キリンビール横浜工場では、地域固有の多様な動植物の保護を目的に、 地域のNPO法人鶴見川流域ネットワーキングと連携して、2012年8月に横浜工場の敷地内緑地の一部として、ビオトープを整しました。

安藤

わぁ、ここには池もあるんですね。どんな生きものが住んでいるんですか?

丹野

私たちはここを「池のビオトープ」と呼んでいます。 人工の池ですが、雨水や緑地の潅水用の水を利用しています。 また、池を上・中・下流域に3分割して、絶滅の危機にある「ホトケドジョウ」や横浜の在来種であるメダカなど、貴重な生きものたちを保護しています。 また、それぞれ水際に植える草木を変えることで、多様な生きものが暮らせる環境をつくる試みも進めています。 たとえば、美しい水色の羽をもつ「アオスジアゲハ」はくちばし(ストロー)が 短いので、ツツジやユリなど花弁の深い花から蜜を吸うことができません。 そのため、成虫が飛来した時に密が吸えるように花弁の浅い花が咲く植物を植えたり、幼虫が好むタブの木を植えたりしています。 実は蝶の幼虫はとても好き嫌いがはっきりしていて種によって食べる草や葉っぱが違います。 最近スミレを植えたところ、オレンジ色の羽を持つ「ツマグロヒョウモン」も飛んで来るようになりました。 「ツマグロヒョウモン」のはらぺこあおむし君はスミレの葉っぱが大好物なんです。 みどりのビオトープでは蝶の他にもバッタやカマキリも良く見かけます。 このように、多様な生きものが安心して暮らせる環境への配慮をしています。

いろんな生きものがいて、みんな違った特徴があるであります。


  • 約190㎡の水場(池のビオトープ)と、それを囲む植生(緑のビオトープ)から成る。

  • キリンビール横浜工場・総務広報担当の丹野優さん。

  • 池のビオトープ。
    環境省指定の絶滅危惧種・ホトケドジョウを保護する「下流域」、横浜メダカやモツゴが生息する「中間域」、横浜メダカが泳ぐ「上流域」の3区画。

  • 緑のビオトープ。
    地域を移動する大型のチョウ類のために蜜を吸う花木と、幼虫のエサとなる植物を中心に配置。

  • 説明に聞き入るレポーターの安藤みゆきと(DNPenguin)

“自然の力”を信じる

安藤

ビオトープがスタートして3年弱になりますが、これまで苦労されたことはありますか?

丹野

ビオトープの根底には“人の手で自然の再生力を引き出す”という考え方があります。 ある日、植えた覚えのない種類のスミレの花が咲いていることに気が付いたり、とても珍しい「ショウリョウバッタモドキ」という昆虫が見つかったりします。先日はカワセミを見かけました。自然はたくましいなと思います。 でも、“人の手”の限界を感じることもしばしばあります。 たとえば、毎年営巣し、抱卵していたカルガモがある日突然姿を消したことがありました。何か環境の変化があり、すみかを移したのだと思います。 今年、久々に戻って来てくれた時はほっとしました。 こうした生きものたちとビオトープとの関係に日々一喜一憂しながら、自然をコントロールすることの難しさを学んでいます。 そもそも自然は、人間の手でコントロールできるものではありません。 自然は人間が手をかけ過ぎてはいけないのです。 ビオトープの活動を通じて、私たちは自然を保護はするけれど、“自然の力”を信じて委ねていくことも大切だと思うようになりました。

次の世代への橋渡し

安藤

こちらのビオトープは誰でも訪問することができるのですか?

丹野

もちろんです。工場を公開している時間帯はいつでも散策していただけます。 ビオトープは誰でも見学でき、散策しながらさまざまな植物や生きものと触れ合える場所です。 昆虫などの生きものを夢中で追いかける子どもの姿もよく目にしますよ。 また、自然をより身近に感じてもらいたいと、地域の小学校を対象にした自然観察会も開催しています。

安藤

子どもたちにとって、身近にこうした場所があることはとてもいいことですね。

丹野

ええ、とくに横浜という土地柄、地域の子どもたちは、自然と触れ合う機会が少ないため、 このビオトープが自然の恵みを実感する場所になってほしいと思っています。 彼らが大人になったとき、ビオトープでの体験から、自然は特別なものではなく、 身近にある当たり前のものとしてとらえ、生きものに興味を持って 愛着や安らぎを感じてくれるようになったらうれしいですね。 私たちがいま取り組んでいる活動がきっかけとなって、 子どもたちが将来、環境を考えてくれるようになることを願っています。

自然を守ることの大切さがちょっとわかったであります。

取材を終えて

安藤さんもわたくしも、蝶やメダカ、草や木、花も、みんな仲間なのであります。安藤さんは、どう思ったでありますか?

安藤

企業の敷地内にあるビオトープを訪ねるのは初めてでしたが、たくさんの興味深い発見がありました。 まず、京浜工業地帯という思いもよらない場所に、「池のビオトープ」「緑のビオトープ」という自然に触れ合える場があること。 それに、飲料メーカーの生命線である「水」をビオトープに再利用していることはとてもいいアイデアだと思いました。 なによりも人の出入りが限られている企業の敷地内だからこそ、街中のビオトープと比べると、環境を守りやすい。 生きものたちが自由に去来し、棲み分けることができるんですね。 ここは、生きものにとってのサンクチュアリ(聖域)なのだと実感しました。

私たち人間も自然を構成する一員であり、さまざまな生きものからの恵みを受け、支えられ、生きています。 今回の取材で自然の恵みを勉強したDNPenguin。 「生物多様性」が、仲間のペンギンたちの”未来”を考えるキーワードになるのではないかと気づいたようです。 そして「生物多様性」をもっと詳しく勉強するためにある人の所を訪れることにしました。次回へつづく・・・

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