Project01Vol.2未来はみんなが絵本作家!?

女子美×ドットDNP コラボレーションプロジェクト
「デジタルえほん&ワークショップ」Vol.2

2014年9月29日更新

はじめに

デジタルの時代だからこそ、「みんなが絵本作家になれる」未来

美術大学の学生にとって、絵本作家になることは将来の大きな夢の一つ。とはいえ、実際に「絵本」を出版するとなると、これまではとても大変でした。でも、「電子書籍」の世界に目を向けるとどうでしょう。自ら作品を作り、インターネットで公開することで、誰でも未来の絵本作家になることができるのではないでしょうか?
そんな未来の可能性を、昨年に引き続き、「未来はみんなが絵本作家!?」をテーマに、女子美術大学とDNPで活動を行いました。

活動内容

絵本の読み手と作り手の楽しい関係

女子美術大学とドットDNPの産学連携プロジェクト。メディア表現領域季里先生のもとに大学3年生16名が集まった今年の授業では、6週間をかけて、企画・構成・物語・イラストレーションから、音楽・オーサリング(インタラクティブな編集)まで、商業ベースでは分業で進められることが多い工程をすべて一人で担当するデジタルえほんづくりにチャレンジしました。DNPのメンバーは、制作や発表の場で、企業の視点から学生たちの作品にアドバイスなどを行いました。

2014年8月9日、コミュニケーションプラザ ドットDNPで、「デジタルえほん」を子どもたちに読み聞かせるワークショップを開催しました。学生たちは、会場に遊びに来た100名ほどの子ども達を相手に、自分が作ったデジタルえほん作品を披露しました。「作り手が聞き手の反応を直接受け取ることは、自己の作品を客観視するきっかけとなり、作品をより良く仕上げていくヒントが得られる貴重な機会になるのでとても大切だと感じています」と季里先生。

こちらで読み聞かせている作品は『はなびらどこだ』。花びらを風に飛ばされて泣いている「お花ちゃん」のために、花びらを探しにいく物語。物語そのものはタブレット画面で進行しますが、花びらを見つけると、フェルト生地で作った花びらを子どもにプレゼント。デジタルで進行する物語のストーリーとフェルト生地で作った花びらを手で触れるという行為の連動が、読み手の子どもにとって物語への理解や共感につながっているように感じられました。

次の作品は『万華鏡』。万華鏡の中でビーズが離合集散していく様子をデジタルえほんで再現。ワークショップでは、銀紙を内側に貼った万華鏡ののぞき穴を工作で作ってもらい、そののぞき穴からデジタルえほんの動く模様をのぞいてもらうことで、不思議に変わる模様を楽しんでもらいました。デジタルとアナログが融合された楽しい体験をコンセプトにしたとのこと。イベントは大盛況で、学生達もとても満足している様子でした。

続いて女子美の学生は、青山学院大学に場所移し、NPO法人CANVASが主催する「こどものためのワークショップ博覧会 ワークショップコレクション」(8月29日・30日)に参加しました。こちらに来場する子どもたちの年齢層は、前回のワークショップよりも若干高め。読み聞かせでどんな反応が返ってきたでしょうか?

『はなびらどこだ』の作者・神野紗代さんは、「子どもの反応を待たずにマイペースで話を進めてしまった」と前回のワークショップを反省。今回は子どもの声をしっかり聞きながら、お話を進めていきました。「今回の子どもたちは、なぜ? どうして?と質問を連発。年齢は前回より1歳程度上がっただけなのに、子どもの好奇心は大きく成長するものだと驚きました」。物語を理解してもらいながら、作り手と読み手が一緒に楽しむ、デジタルえほんの可能性を見た瞬間でした。

ついに達成!? 誰でも絵本作家になれる未来

「ワークショップコレクション」の会場では、同時に「第3回デジタルえほんアワード」の表彰式が行われました。今年は、世界19カ国から300を超える応募があったというアワードで、なんと昨年のプロジェクトに参加した石川由貴さんの『きりえほん〜しんかいさんぽ〜』が作品部門の準グランプリを受賞! 同じく海親(本田美慈)さんの『コロリロン』も入賞を果たしました。昨年の授業参加がきっかけとなり、絵本作家になる夢をアワード受賞というカタチで手にしたのです。

『きりえほん〜しんかいさんぽ〜』は、深海にすむ奇妙な形の魚や生物をモノクロームの切り絵で独創的に表現した作品です。「深海魚という不思議な生き物を、あえてモノクロの切り絵で表現することで、『実際にはどんな色や形をしているんだろう?』と、子どもたちに想像力を膨らませてもらうのが狙いでした。昨年のワークショップでは、子どもたちに切り絵に挑戦してもらいましたが、予想もしなかった形の魚を切り出すので、作り手としてとても刺激をうけました」と作者の石川さん。

『コロリロン』はフシギな□(しかく)を追いかけて家の中を探検していく、文章のないしかけ絵本です。「昨年の読み聞かせでは、年齢や個性によって子どもたちの反応がまったく違うことを知り、子どもに向けたインタラクティブな作品の世界にますます興味を持ちました」と作者の海親(本田)さん。

まとめ

「未来のあたりまえ」が一歩実現に近づきました

みらいドットDNPでは「みんなで未来を考える。」をコンセプトに様々なプロジェクトを推進しています。「未来はみんなが絵本作家!?」という今回のプロジェクトでは、実際に学生の作品がアワード受賞というカタチで絵本作家になれる可能性を示してくれたことで、「未来のあたりまえの実現に向けて一歩近づけた」のではないかとDNP三戸さん。
「今後は、学生だけでなく、子どもも大人も「みんなが絵本作家」になれる未来を作っていきたい」と季里先生。本プロジェクトでは、みんなが絵本作家になれる環境や手法を提供していくという課題に向けてこれからも取り組んでいきたいと考えています。

 

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