Project03“こども専用フォント”が未来のえほんを変える!?

「ことばともじ展」スペシャルトークイベント

2014年6月18日更新

はじめに

デジタルの進化によって文字も進化するのでしょうか?

スマートフォンやタブレット端末が普及し、「文字」によるコミュニケーションが再び活発になりつつある昨今。「文字と書体」のもつ可能性に注目が集まっています。

「書体」は、言葉や文章の持つ意味に、より豊かなニュアンスを付加できる表現手法です。文字を学習中の子どもにとって「書体」の多様性に触れることは、言葉を学ぶ楽しさを増幅させ、学習の手助けとなるはずです。本トークイベントではデジタルえほんミュージアム第3回企画展「ことばともじ展」の関連イベントとして、ことばや文字、書体という切り口から、未来の「デジタルえほん」の新たな可能性を探っていくことにしましょう。

活動内容

「全身でことばを覚えてもらいたい」それが企画展にかける思いでした

デジタルえほんミュージアムで開催中の第3回企画展「ことばともじ展」(2013年10月12日〜2014年3月1日開催)に連動して2014年2月21日に行われたトークイベント。今後新しく生まれる「書体」を使ってどんなデジタルえほんを作れるか、それを子どもの教育にどう活用できるかなど、デジタルえほんの未来をテーマに識者のみなさんにお話しいただきました。

司会は「ことばともじ展」を企画プロデュースした(株)デジタルえほんの石戸奈々子さん。ゲストスピーカーには「書体」の専門家であるグラフィックデザイナーで多摩美術大学情報デザイン学科教授の永原康史さん、長年子ども向けのゲームコンテンツを制作するクリエティブディレクターの季里さんをお迎えしました。

「ことばともじ展」で展示したオノマトペの雨

トークショーは石戸さんと季里さんによる「ことばともじ展」の概要と企画意図の説明から始まりました。「子どもたちに全身で言葉を覚えてもらいたい」をテーマに始まった企画展。そのアイデアのひとつが、「ぴょんぴょん」や「ぷかぷか」など、日本語特有の擬音語を、それらしい書体で表した「オノマトペの雨」コーナーにつながります。書体と一緒に文字を見ると、言葉の意味がより鮮明になって、覚えやすいですね。

続いて、企画展でも使用されたDNPのオリジナル書体「秀英体」について、担当者の宮田愛子さんから紹介がありました。「秀英体」は明治時代から使われている書体で、もともとは活字でしたが、現代のデジタル社会のニーズに合わせて電子文字(=フォント)への移行が進んでいます。明朝系からゴシック系までラインナップも充実。辞書や書籍、電子書籍など幅広い分野で使用されています。デジタル社会に合わせて、書体も日々変化しているということがよくわかりました。

ことばに対する子どもたちの捉え方、それは想像以上でした

「書体」の持つ面白さを子どもたちに理解してもらうのは、どうしたらいいだろう? その試みのひとつとして、2014年2月8日に開催された「もじもじへんしんバッグをつくろう」ワークショップの様子が紹介されました。ひらがな一文字から連想できるイメージで文字を「変身させる=自分だけの書体を作る」という企画。文字が自転車に変身したり、子どもたちが柔軟に「書体」に触れる姿に、大人たちのほうがびっくりしたほどだったそうです。

永原さんからは、以前リリースした驚きの書体の紹介がありました。通常の書体ではひとつの文字の形はひとつ、それが当たり前でしたが、永原さんは前後の文字によって、手書きのように字の形が変わる書体を開発したのです。「これからの『書体』は手書き文字に近い感覚で、より自由に言葉を表現できるツールになってくる」とか。「書体」の面白さが伝わってくるお話でした。

最後に登壇者のみなさんから「書体」はどのように進化して、どのような本が生まれるか?についての提言がありました。キーワードは「インタラクティブ性」、絵本を読む子どもの年齢や就学レベルによって、漢字がひらがなに変換されたり、よみがなが付けられたりする機能があれば、一冊の本を幅広い子どもたちが共有できます。さらに年齢が上がるにつれて漢字の割合が多くなれば、漢字学習の助けにもなるはず…など、時間ギリギリまで熱心な意見交換が交わされるトークイベントとなりました。

まとめ

書体は文字と言葉のかけはし

このトークイベントで印象的だったのは、「書体は文字と言葉のかけはし」という言葉。コミュニケーションに影響を与える書体の役割はこれからますます重要になってくるでしょう。

 

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