Project10未来の絵本には驚きのしかけ!?

武蔵野美術大学×ドットDNPコラボレーションプロジェクト
「世界のしかけ絵本」展

2014年9月1日更新

はじめに

紙の絵本もデジタルえほんも、しかけ絵本の魅力に触れると未来が見えてくる!

スマートフォンやタブレットを使って読書を楽しむことが普通になってきているように、しかけ絵本の世界にもデジタル化の波が押し寄せています。デジタルえほん専門の作家が登場し、これまでは想像もつかなかった、新しい絵本の作り方や表現方法で私たちを楽しませてくれています。一方、紙のしかけ絵本も進化を遂げ、大胆な仕掛けや発想で、子どもだけではなく大人たちもその魅力のとりこです。
デジタルのしかけ絵本、紙のしかけ絵本、双方にあらためてふれることで未来のしかけ絵本の楽しみ方を考えてみましょう。

活動内容

見て、作って、体験して しかけ絵本で遊ぼう

2014年7月22日から8月2日までコミュニケーションプラザ ドットDNPで開催された「世界のしかけ絵本」展。
武蔵野美術大学美術館・図書館が所蔵する貴重な紙のしかけ絵本の数々と最新のデジタルえほん、60点余りが展示されました。
また会期中には、しかけ絵本のしくみを作りながら学べる「しかけ絵本を作ろう」ワークショップも開催。
しかけ絵本を見て、作って、体験して、実際の読み手である親や子どもたちはどんなことを感じ取ったのでしょうか。

開いてみると・・・!? 進化を遂げるしかけ絵本

およそ130年前につくられたしかけ絵本の復刻版、ロバート・メッケンドルファー作『都市公園』は、屏風のように長い一枚の厚紙の表裏どちらにも公園の様子が細かく描かれ、切り抜かれた面をどこからのぞいても違った公園の一面が見えてきます。展示に訪れた小学三年生の男の子は「すごい、どこからみてもおもしろい!」と、絵本の周りをぐるぐるまわりながら中をのぞき込みます。時代や国境を越えた驚きにあふれた作品に、子どもたちも興味深々です。

マシュー・ラインハート、ロバート・サブダによる現代の名作『ドラゴンとモンスター』。「これどうなってるの?」とページを何度も閉じたり開いたり、仕掛けの裏をながめてみたりと、技巧を尽くしたしかけの数々が子どもたちの好奇心をかき立てます。
複雑でダイナミックなしかけで楽しませるしかけ絵本から、ブルーノ・ムナーリ『読めない本』のように読み手の発想力を問うようなしかけまで、紙のしかけ絵本が様々な進化を遂げてきたことがわかります。

どんどん可能性が広がっていく!デジタルえほん

タブレット端末を使って、AR技術で飛び出すしかけを楽しむ『赤ずきんちゃん AR』。テーブルの上に置かれた紙の絵本『赤ずきんちゃん』をカメラで写すと、タブレット画面の中に立体的に飛び出す絵本が現れ、さらにキャラクターをタップするとセリフを話します。「狼ってこんな声なの?」とどんどん場面を進めて行く子どもたち。英語にもかかわらず子どもたちも聞き入ってしまうほど「音」が加わるだけで伝わり方も深くなるようです。

『ベアフットワールドアトラス』はタブレット端末で楽しむデジタルえほん。画面上の地球儀をまわしたり拡大しながら、地球儀上のマップに表示されている建造物、動物などをイラストと音、テキストで楽しみながら学ぶことができます。次から次へと地球儀上を旅するお子さんをながめながら「楽しみながら勉強できているみたいで、こんなに集中できるとおもいませんでした」とお父さん。物語を楽しむ絵本とは違い、「触れる」「動かす」ことで自発的な学びにつながる、絵本の新しい可能性を感じました。

ワークショップでは、ピープショー(のぞきからくり)という遠近感や立体感を感じられるしかけを活用し、海の中をのぞくようなしかけ絵本作りに挑戦。海の中の風景が描かれた5枚の台紙に、好きな色で塗った海の生き物たちを貼り付けていきます。完成した本をのぞき窓からのぞいてみると、魚やサンゴが、まるで海の中を泳いでいるよう!しかけの仕組みを学びながら作ったからなのか、みんなしかけ絵本の隅々までいろんな角度からじっくりながめていました。読むだけではなく、表現方法としてのしかけ絵本を体験してもらうことができました。

まとめ

紙のいいところと、デジタルのいいところ。融合が生み出す未来のしかけ!

「今回はデジタルえほんと一緒に展示できたことが最大のポイントです」と語るのは、武蔵野美術大学の美術館・図書館で絵本など貴重書を整理されている本庄美千代さん。
「デジタルえほんと紙の絵本の融合により、これまでただ見るだけだった展示に触るという身体的な要素が生まれ、未知の可能性を感じました。子どもたちには、紙とデジタルそれぞれの魅力を感じてもらい、紙のしかけの楽しさがデジタルに置き換わったときの感動が未来につながっていけばいいなと思います」

今回の展示で、紙のしかけ絵本には、読み手の発想力を刺激し、十人十色の解釈や楽しみ方を生み出す可能性を再発見できました。また、デジタルえほんには、紙の絵本が担ってきた役割を飛び越えて、読み手が参加できるという新たな可能性がありました。
紙のしかけ絵本の多面性と、デジタルコンテンツならではの「参加できる」しかけを融合させた絵本こそ、未来のしかけ絵本の形なのかもしれません。これからももっと紙とデジタルとの新たな融合の形、未来の形を探っていく必要がありそうですね。

 

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