Project20未来は自宅にいながら、京都観光を楽しめる?

明日の京都 文化遺産プラットフォーム×DNP×毎日放送
『京都・文化遺産アーカイブプロジェクト』

2015年1月19日更新

はじめに

京都の宝を後世に伝える

京都には世界に誇る文化遺産がいくつもあります。中でも代表格となるのが、世界文化遺産「古都京都の文化財」であり、ここには17の寺社・城が登録されています。これらの極めて貴重な文化遺産を毀損することなく、未来へ継承していくために我々は今どうすれば良いのでしょうか。
民間組織である「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」(以下「明日の京都」)とアート作品のアーカイブに実績のあるDNP、寺社仏閣の撮影を得意とする毎日放送はこの課題について議論を重ねた結果、最新鋭の高精細4K映像に着目しました。ハイビジョンを超える鮮明かつ高密度な映像により、四季折々に美しい姿を見せる文化遺産を撮影し、映像アーカイブを後世に伝える。この取り組みが『京都・文化遺産アーカイブプロジェクト』です。各文化遺産の四季の移ろいを1年かけて4K映像で撮影、各所有者との共有資産として保存し、さらには教育分野における展開・活用も視野に入れています。今回は冬のある日、鹿苑寺(金閣寺)で行われた早朝ロケに密着しました。

活動内容

限られた時間の中で四季の移ろいを残す

12月某日、午前6時半、あたりはまだ真っ暗な中で撮影の準備は始まります。
金閣寺は境内約4万坪の内、その7割程度が特別史跡および特別名勝指定地となっています。金閣寺の正面に配する鏡湖池の周りを巡る小径ももちろん特別史跡、だから観光客は入ることができません。道の脇を覆っている苔を乱すだけでも、文化財を傷つけることになるため、撮影クルーの動きには慎重さが求められます。

朝方まで降っていた雨もあがり、撮影は限られた時間の中で行われました。
午前7時半には周囲が次第に明るくなるとともにカメラも回り始めます。池越しに舎利殿を撮影し、水面に遊ぶ鴨が飛び立つ瞬間を狙い、紅いもみじの向こうに輝く金色の舎利殿を手際よくフィルムに収めていきます。1時間ばかりの撮影は無事終了。頃合いを見計らったかのように、予報通り冷たい雨が落ちてきました。

古都の文化遺産を所有者主体で守る

ロケ終了後、DNP京都太秦文化遺産ギャラリーにて「明日の京都」の大前さん、DNPの桐谷さんからお話を伺いました。
「『京都・文化遺産アーカイブプロジェクト』は、『明日の京都』と毎日放送、さらにDNPが共同で取り組むプロジェクトです。契機となったのは、2010年10月に、民間の力を中心に京都の文化遺産を保存継承する組織として『明日の京都』が立ち上げられたことです。
私たちは、行政や大学が主導するのではなく、文化財の所有者や伝統文化の継承者、またNPOや企業の方々と一体となり活動する組織です。『明日の京都』では、防災、景観保存、さらには文化財自体の保存と公開に関する議論が尽くされてきました。その中で文化財の取り扱いに関して、アート作品の保存と活用に知見のあるDNPに全面的に協力を依頼することになったのです」と、大前さんはDNPと連携するまでの経緯を語ります。

これを受けて桐谷さんは「DNPは情報を扱う企業として、貴重な史資料を保存する事は使命と考えています。このアーカイブプロジェクトでは、4K映像による撮影を長年京都で多くの文化遺産撮影に取り組んできた毎日放送さんが担当し、我々DNPが4K映像の記録・保存、公開を担当します」と、各社の役割分担を説明してくれました。

関係者をうならせた高精細な4K映像の力

京都の有名な寺社には、日常的にテレビなどの取材が入っています。ハイビジョンを含めたテレビ映像は見慣れているけれども、4K映像は寺社の関係者にとっても未体験。専用モニターで再生した映像を見ていただいた時の反応は「すごい!」という声が圧倒的でした。日々お寺で過ごしている方々でさえも、目にしたことのない状況を再現する精細な映像は、鮮烈な印象を与えたのです。
特別に許可を得て撮影された映像には、修学旅行や観光に訪れた時では、まず見ることのできないものが数多く含まれています。例えば一般には開放されていない場所からの映像や、四季折々、様々な時間帯による変化などです。自宅や教室に居ながらにして、実際に京都まで足を運ぶ以上のリアルな映像体験を楽しめるのが、アーカイブの何よりの魅力です。
さらには寺社の側からは「せっかく4K映像で撮影するなら、普段なら公開しない特別な法要や行事も記録して残して欲しい」との要望も寄せられるようになったようです。

教育用コンテンツとして活用する

鑑賞用途以外にも、アーカイブにはさまざまな活用法があります。その一つが、教育用コンテンツとしての利用です。京都には数多くの大学があり、約50大学が加盟する「大学コンソーシアム京都」が設立されています。ここに参加する大学間では、単位互換制度が認められており、学生は大学の枠を超えて、興味のある学問を学ぶことができます。
このコンソーシアムに新たな開講科目として準備が進められているのが、世界遺産に関するPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)です。世界遺産を抱える寺社の問題解決に向けて学生たちが取り組むプロジェクトに、アーカイブの活用が検討されています。高精細な映像で、普段見ることのできない文化遺産の実像に触れる体験は、きっと学生たちの学習意欲をかきたてるでしょう。DNP京都太秦文化遺産ギャラリーには4K映像を忠実に再現するモニターが設置されており、このスペースを活用した授業も計画されています。

まとめ

4K映像の魅力をフル活用したクロスメディア展開へ

『京都・文化遺産アーカイブプロジェクト』はまだ始まったばかり、今は各寺社の映像を撮りためているところです。参拝に支障がないようにと限られた時間内での収録に努めており、今後17ある世界遺産のすべてを撮影していきたいと考えています。 実際に映像を見た寺社関係者からの評価は高く、記録的な価値だけではなく、観光や教育コンテンツとしての活用にも大きな期待が寄せられています。今後、求められるのはクロスメディア展開であり、これはDNPが長い時間をかけて培ってきた技術の活かしどころであり、みらいドットDNPではこのアーカイブの教育への活用についてもこれから追い続けていく予定です。
未来は、世界遺産だけでなく、京都の見どころすべてを4K映像で、自宅にいながら観光できるようになるかもしれません。

なお、これまでに撮影された映像はDNP京都太秦文化遺産ギャラリーでご覧になれます。 ご興味のある方は是非お越し下さい。

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