Project26Vol.2未来の絵本は「見る、聴く、触る、作る」が当たり前?

絵本の楽しみ方が変わってきた!?
「札幌市中央図書館 デジタルえほん実証実験」

2015年8月25日更新

はじめに

デジタル化が進む中で図書館に求められるものは?

本の電子化が進み、近年では図書館のサービス向上としてデジタル機器の導入が加速化しています。図書館を利用している方に必要な情報は一体どんなものなのでしょうか? そのニーズを引き出す取り組みが行われているという札幌市中央図書館を訪れてみました。

活動内容

新設図書館で「デジタルえほん」を活用しよう!

札幌市中央図書館では、2016年秋以降の(仮称)絵本図書館の開設準備を進めています。その中で、「デジタルえほん」ならではの利点を生かした活用方法について、日ごろ図書館を利用している方から意見や要望を伺いながら、DNPと共に実証実験を複数回行ってきました。

2015年6月12日~7月3日の期間中、札幌市中央図書館では3つのデジタルコンテンツを体験できる企画が開催されました。1つはDNPが提供する「デジタルえほんパッケージサービス」、「おはなし」「まなび」「あそび」などのデジタルえほんが入っています。2つ目はタブレット端末と大型モニターを連動させた「ふねくんのたび」のデジタルえほんの体験展示。3つ目は朝倉民枝さんによる絵本作りワークショップ「ピッケのつくるえほん」。タブレット端末を使って子どもは感覚的に絵本を作ることができます。それぞれのデジタルえほんに子ども達はどんな反応を示したのでしょうか?

子ども達の真剣なまなざしに驚き

デジタルえほんパッケージサービス
「おはなし」「まなび」「あそび」など、好きなジャンルを選べるタブレット端末、大小5台は常にフル稼働状態でした。カラフルなヘッドホンをかけ、スイスイッと操作する姿は大人顔負け、皆真剣なまなざしで絵本を読み、あたりはとても静かです。タブレット端末に初めて触れる子どもがあっという間に使いこなすさまを見ると、子どもの順応性の高さとじっと話を読み進める集中力には、見ているこちら側も驚かされてしまいます。

ストーリーをシェアできるのもデジタルえほんだから

【ふねくんのたび】
図書館の入り口に設置された大型モニターの前には、いしかわこうじさんの絵本「ふねくんのたび」をベースにしたデジタルえほんがありました。タブレット端末で作った自分の船が、モニターに映し出され、子ども達は大はしゃぎ。「魔法のステッキ」でタッチすると音が出たり、飛行機が飛んだり、島が現れたり。色々な変化が起こる様子に目を輝かせていました。船はパーツを組み替えることができるので、形を変えたり色を変えたり何度も楽しんでいる子どもが多かったのが印象的です。自分の船とお友達の船を見比べる子ども達もチラホラ、このようにそれぞれの子どもの描くストーリーをシェアできるのもデジタルえほんならではかもしれませんね。

予想外の使い方でアプリの新たな可能性を発見!?

【ピッケのつくるえほん】
別室では「ピッケ」の開発者の朝倉さんのもとで、デジタルとアナログ両方を兼ねた絵本作りをスタート。絵本作りについての流れや、タブレット端末の使い方について、朝倉さんの説明を真剣に聞き入る子ども達。ひとつひとつ操作方法を確認しながら、キャラクターを動かしたり、拡大したり。あらかじめ用意された素材では足りず、積み木の素材を複数使って自分の欲しい形を作りあげる子どももおり、子ども達の応用力にはただただ驚くばかりです。

今まで知らなかった子どもの一面も発見!

絵ができあがったらお話の録音と印刷しての組み立てです。お父さんお母さんも協力してもらい、ワンシーンごとに声を吹き込んでいきます。絵本作りに積極的に取り組む姿を見て「こんな一面があったなんて知りませんでした」と驚くお母さんも。同じツールを使っていても、お話の内容や絵の作り方、色遣いなど、参加者それぞれの個性がうかがえました。
子ども達の作品は音声付きの動画でご覧頂けます。

デジタルえほんで子どもの想像力・創造力を育てたい

今回の取り組みを通して、プロジェクトを推進した3名の方達、それぞれに手応えや改善点などが見えたようでした。共通して感じられたことは「デジタルえほんは子ども達にとって、とても興味を引く力がある」「絵本を読むというインプットだけでなく、創造表現へとアウトプットすることに繋がっていくのでは」というものでした。ただ、中にはデジタルツールにマイナスイメージを拭えないという意見も少なくはないので、本格的な導入に向けては今後もそれらのイメージを払拭していくことが必要とのことでした。

まとめ

大人と子ども、社会を繋ぐツールになることを期待

今回の実証実験を通じて、デジタルえほんは子ども達の読むという行為を促進するだけでなく、創造表現のためのきっかけを与える可能性もあることが見えてきました。もしかすると、今後の図書館は「読む」から「作る」を自然に結びつける環境を担う場所として、つまり学びと創造の場として人々を豊かにしていくかもしれませんね。

 

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あなたは図書館にどのような機能、サービスがあるとうれしいですか?

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