Project35社会課題を解決する「未来のシゴト」を考える

DNP環境フェア スペシャルワークショップ

2015年10月19日更新

はじめに

社会課題を解決する「未来のシゴト」とは?

現代には、教育や食、医療、健康、環境など、あらゆる分野において解決すべき社会課題があふれています。私たちは未来に向け、これらの問題を解決する方法を見つけていかなければなりません。
未来では、どんな方法で社会課題を解決するのでしょうか。また、課題を見事に解決できる「未来のシゴト」を作りだすことはできるのでしょうか。
今回はスープ専門店「Soup Stock Tokyo」、ネクタイ専門ブランド「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」など、さまざまなビジネスを手がける遠山正道さんの思考プロセスをヒントに、社会課題を解決できる「未来のシゴト」を、さまざまな職種の皆さんと一緒に考えてみましょう。

活動内容

コミュニケーションプラザ ドットDNPの「環境フェア」の一環として、2015年8月26日にスマイルズの遠山正道さんを迎え、社会課題解決方法を考えるワークショップが行われました。今回のワークショップは、与えられた課題に対し、チームごとにディスカッションを行い、検討したアイデアを発表するというもの。

司会のDNP向野さんの紹介で、遠山さんが登場。ワークショップに先駆けて、向野さんから遠山さんに質問をして、遠山さんの人となりを分析していきます。
「ご自分の強みは何ですか?」という質問には、「自分で言うのも…」とご謙遜したうえで遠山さんは、「成功したことですね。一つ成功すると、いろんなことがやりやすくなります。あとは人脈。ネットワークがあることかな」と話します。

ネーミングから生まれた「PASS THE BATON」

続いて話は遠山さんが手がける「PASS THE BATON」へ。「PASS THE BATON」は、リサイクル品を元の持ち主がプロフィールと品物にまつわるストーリーを添えて販売する新たなスタイルのセレクトリサイクルショップ。ただの「中古品」ではなく思い出や背景を語ることで、人から人へモノを受け継ぐサステナブル(持続的)なリサイクルを行っています。「バトンを渡すように、人から人へ想いをつないでいく。まず『PASS THE BATON』という言葉を思いついて、そこからビジネスの形が見えてきたんです」と遠山さんは教えてくれました。

DNPの社会課題解決への取組み

遠山さんのお話に刺激を受け、脳が活性化したところで、いよいよディスカッションタイムです。まずは、フェアトレード認証のワインやコーヒー、クッキーが各チームのテーブルに配られました。「フェアトレード」とは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することで、立場の弱い開発途上国の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」。DNPでは、社内の食堂やカフェ、オリジナルグッズなどにも積極的・継続的にフェアトレード認証商品を導入しており、そうした活動を継続することで、サステナブル社会の実現に向けた取組みを行っていることが紹介されました。

チームディスカッションで社会課題の解決策を考える

今回のディスカッションは、ワインやクッキーを片手に肩ひじ張らず、ざっくばらんに話してみようという趣向。ディスカッションのテーマは、A「気候変動に適応する」、B「少子化(人口減少)を止める」、C「人の多様性を認める」。各チームのディスカッションテーマと、最後に発表を行うキャプテンが決まり、いよいよチームごとの企画会議が始まります。

企画会議は、それぞれチーム内での自己紹介からスタートしました。ワインやコーヒーを飲みながらのせいか、初対面とは思えない活発なディスカッションが繰り広げられていきます。気候変動をテーマに話し合うチームでは、「暑すぎて緑が枯れてしまっているのを目にする」「近所に蚊がすごく増えた」など、課題である社会課題を自分の身近で起こっていることや体験に置き換えて、手の届く解決策を探っていきます。

遠山さんのアドバイスが新たなアイデアを生む

企画会議中に、遠山さんが各テーブルをまわり、各チームの意見を聞き、アドバイスをしていました。遠山さんからの斬新なアドバイスによって、「あ、そうか!」と別の発想が生まれるチームもあったようです。発表に向けて、チーム内での役割分担が自然とできていくのが印象的でした。議事進行役に対し、まとめ役が大きな紙に論理の展開を分かりやすく図にまとめたり、付箋を貼ったりして、準備を進めていきます。

そして、それぞれのチームのキャプテンが、企画会議の結果を発表しました。
A「気候変動に適応する」を話し合ったチームのアイデアは、「コンビニの駐車場のアスファルト部分を緑地化する」というもの。遠山さんからは、「ドローンで写真を撮って作品として競うなど、コンビニがやる意義を感じさせるところまで持ち込めればもっと良くなりそう」というコメントがありました。

B「少子化を止める」について話し合ったチームからは、「女性の卵子を凍結保存しておき、時間や金銭的に余裕ができる年齢になってから出産」という斬新なアイデアが発表されました。「その着想だけからも、方法論はいろいろ考えられる。あわせて50代60代の人が、みんなで子育てをシェアしていく仕組みなども作れたらいいですね」と遠山さん。

C「人の多様性を認める」については、「LGBTなどマイノリティに対して偏見をなくすための体験型施設を作る」という驚きのアイデアが発表されました。その施設では「男装・女装を体験できたり、宗教による生活習慣の違いも体験できる」とのプレゼンに、遠山さんも「とてもおもしろい!」と絶賛。「企業でも『社員全員が女装で過ごす日』を設けると面白いかも」と発想を膨らませていました。

3つの課題をまとめて解決!遠山さんのアイデア披露

すべてのチームの発表が終わったあとで、3つのテーマすべてを解決できる、遠山さんのアイデアの発表がありました。
それは、「企業が地方にも拠点を構え、社員がどんどん異動するようなシステム。『支店』ではなく『別社』と名付けることで、『左遷でなく』『別荘・保養所でもない』新しい勤務地ステータスを生み出す」というもの。

地方で暮らすことにより、経済的な面などから、子どもが育つ環境に恵まれる。それにより、「少子化を止める」。
また、暑い時期を、涼しい地域で暮らすこともできる。つまり、「気候変動に適応する」。
さらに、“都会っ子”“田舎者”などの地域差別がなくなることで、「人の多様性を認める」コミュニティが生まれる。
参加者の皆さんも、魔法のような解決策に感心しきりでした。

ワークショップの最後に、遠山さんが感想を話してくれました。
「今回のワークショップでは社会課題という大きなテーマに対し、皆さんそれぞれが身の丈に引き寄せて考え、それがまた壮大な話に膨らんだりして面白かったです。実は私も、環境問題のような大きなことを考えるのは苦手。それよりも、個々人が自分のできる範囲を綺麗にすることで、結果として世の中全体が綺麗になるという風に考えています」。

そして遠山さんは、こう締めくくりました。
「世の中のダメな部分、誰もが困っていることにはたくさんの『ありがとう』が隠れているので、ビジネスとして価値がある、いわば『ビジネスの種』です。特に『環境』のような大きな社会問題に取り組むことには意義があるから、苦しくても頑張って続けていけばビジネスとして花開くかもしれませんよ」。

まとめ

身近な困りごとが「未来のシゴト」を生みだす種

「ありがとう」がビジネスの種という遠山さんの言葉のように、身近な困りごとの解決策が大きなビジネスの種になり、ひいては大きな社会課題の解決策になるかもしれません。
また問題解決にあたっては、さまざまな分野の人が知恵を寄せ合い、みんなで一緒に考えていく方が効率的かつ効果的で、そして「楽しい」ということも分かりました。
初対面の人同士が街角でワイン片手に社会問題を真剣に語り合う。未来では、そんな光景も当たり前に見られるのかもしれません。そんな場所が増えることで、さまざまな問題解決法もまた生み出される、そんな未来を期待したいものです。

 

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