Project38デジタルペンが描く、未来の楽しい「体験」とは?

デジタルペンを使ってクッキーをキャンバスに描こう!

2015年12月7日更新

はじめに

視点を変えて考える、デジタルペンの使い方

手書きの文字を瞬時にデータ化できるデジタルペンをご存知ですか?
たとえば、申込受付業務で、入力内容の確認や登録の手間が短縮できる。学校の授業に導入することで、教師がどの生徒がどこで考え込んでいるのかを把握できたり、教師のコメントや採点をその場で全員で共有できたり、効率よい指導をすることができる。デジタルペンは、主に「業務効率化」という視点から使い方が考えられてきました。
今回は、フード・ファブリケーションのイベントを通し、デジタルペンを使った「体験」そのものに新たな付加価値を見い出せるかという、新たな可能性を探ってみました。
※フード・ファブリケーション:デジタル機器を使って食品を製造もしくは加工すること。

活動内容

デジタルペンとは?

デジタルペンは一見普通のボールペンのような形状ですが、先端付近に小さなカメラが内蔵されています。専用の用紙にデジタルペンで文字や絵を描くと、内蔵カメラが、用紙上に印刷されている小さな点から座標データを読み取りデータ化、それがパソコンの画面に反映されるという仕組みです。
ペンと紙、という誰もに親しみのある昔ながらのインターフェイス、というところがポイントです。

そしてデジタルペンの新たな使い方を提案すべく企画された、コミュニケーションプラザ ドットDNPでのフード・ファブリケーションのワークショップ。デジタルペンで描いた文字やイラストをその場でフードプリンターでクッキーにプリントし、オリジナルクッキーを作ります。この日は10月31日で、ハロウィンの贈り物にもぴったりです。

まずはデジタルペンの基本的な使い方の練習からスタート。専用用紙にデジタルペンで線を引くと、パソコン画面上にもその線が反映されるのを全員で確認します。
次に線の色や太さを変える操作。色がプリントされた紙のパレットから好きな色をデジタルペンで触って、専用用紙に戻って線を引くと、紙に描かれた線は黒なのに、画面上の線はパレットで選んだ色になります。

一通り練習が終わると、いよいよオリジナルハロウィンクッキーづくり。
今回はハロウィンにちなんで、あらかじめカボチャや魔女のイラストがプリントされたフォーマットを使います。下絵を、デジタルペンを操作して、自分の好きな太さの線でなぞったり、色を塗ったりすることで、絵に自信がない人でもかわいいイラストを描くことができます。余白にイラストや文字を加えて、オリジナリティをプラスすることもできます。

用紙には、オリジナルデザインができる枠も用意されています。
参加者それぞれが「どんな絵を描こう?」「文字は何色にしようかな」など、楽しみながらオリジナルクッキーのデザインを考え、思い思いにフォーマットを彩っていきます。中には、一足早くクリスマスツリーをデザインする人も。

描き上がった人から順番に、描いたイラストがクッキーにプリントされていきます。
使用したプリンターは、フルカラー可食インキで、食材に直接プリントできるSO-KENのフードプリンター(TPW-105EDF)。厚み27mmまでの食材にプリントでき、意外にコンパクトなサイズです。引き出し状のトレイに、プリント素材であるクッキーがセットされます。印刷の様子は会場のモニターで実況中継。自分がデザインしたクッキーが映し出されると、参加者は大喜びで、スマートフォンでモニターを撮影する人もいました。

手書きの文字や絵がきれいにプリントされたクッキーが、袋に詰められて手渡されると、皆さん満足げ。作ったクッキーをお互い見せ合い、笑顔でイラストの出来栄えを言い合う参加者を見ると、今回のデジタルペンを使ったクッキーづくりイベントは、参加者に楽しい体験を提供できたようです。

参加者の声

参加者に感想を伺ってみました。
「自分が描いたものが、その場で形になったのは感動しました。色や線の太さが自由に選べるなどの機能もありがたいです。かまぼこにキャラクターをプリントすれば、『キャラ弁』も簡単に作れそうですね。ドットDNPのような施設で、常設的にこの可食プリントサービスがあるとうれしいです」。

「見本の絵にデコレーションするくらいの作業だと思っていたので、こんなに自由に、自分の思い通りの絵が描けて大満足です。デジタルペンがボールペンみたいで書きやすかったし、色がたくさん選べたのもよかったです。デジタルペンで、消しゴムや筆箱にオリジナルの絵や文字を描いて、その場でプリントしてもらえたらうれしいですね」。

「パソコン操作が全くできないので、最初はデジタルペンが操作できるか不安でした。やってみると操作は思ったよりやさしくて、楽しかったです。高機能なのに使い慣れたペンとか、手になじみのある道具のような感覚で使えるところがいいですね。デジタルペンで描いた文字や絵をその場でハンカチにプリントできれば、いいプレゼントになるかも」。

企画者の声

イベント終了後、可食インキ・フードプリンターの製造販売元・株式会社SO-KENの浅尾社長にお話を伺いました。
「デジタルペンチームと協働することで、プリントされた商品を手にするだけでは味わえない、『体験』する面白さや楽しさを皆さまに提供できると確信しました。今回の企画ではとても良いパートナーにめぐり会えたと思っています。これからも皆さまに『体験』してもらえるイベントを、さまざまな場所で開催していきたいですね」。

DNPの鈴木さん、杉原さん、有井さんにも、お話を伺いました。
「今回はまず第一に、自分が描いた絵や文字が、その場でプリントできる、形になる楽しさを体験して欲しかった」という鈴木さんは、「参加者の皆さんがオリジナル作品づくりに没頭されていたのが印象的でした。デジタルペンの良さをご理解いただけたと、手応えを感じています」。また、司会進行役を務めた杉原さんは、「プリンターから自分の作品が出てくる瞬間の新鮮な驚き・感動を、参加者と一緒に味わえて、私までワクワクしましたね」とイベントの率直な感想を話してくれました。

最後に有井さんが、「例えば旅行先で陶芸を体験して、作ったお皿をおみやげに持ち帰ることがあります。同様に、デジタルペンを体験して作ったオリジナルグッズをおみやげにするなど、デジタルペンで得られる『体験』を商品として展開できるサービスを、これからさらに考えていきたいですね」と今後の展望について話してくれました。

まとめ

これまで効率化をテーマに使い方が考えられてきたデジタルペン。今回のイベントでは視点を変え、デジタルペンをものづくりに使うことで、皆さんがデジタルペンを使う「体験」自体に価値を感じてもらえるかという新たな試みでした。結果、ペンという形状ならではの親しみやすさや扱いやすさもあって、短時間で難なく使い方をマスター。楽しみながら熱心にものづくりに取り組む参加者の姿がありました。試みはひとまず成功といって良さそうです。可食インキ・フードプリンターとのコラボレーションで生まれた新たな発想も、これからまだまだ出てくることでしょう。
デジタルペンの描く未来のあたりまえとは何か? 今後の展開に期待したいです。

 

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